水素がやってくる

Hydro World

飛行機、電車、トラックと、水素を燃料にして動く乗り物を紹介してきました。今回は、その水素自体の調達についてお伝えします。つい先日の報道によると、日本政府は来年の1〜3月ごろ、オーストラリアから水素を輸入する実証実験を行うことが発表されました。現在、水素は化学工業の副産物などとして製造されていますが、価格が高いことが普及を妨げる要因の一つとも言われています。そこで、オーストラリアのプラントで「褐炭」とよばれる低品質な石炭から水素を大量に生産し、コストを下げて流通させる試みです。液化天然ガス(LNG)と同様に、マイナス253度の極低温で液化させた水素を輸送船で運び、その安全性を確かめるための実験だそうです。

以前にも紹介した運搬船「すいそ ふろんてぃあ」
(出典:https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=63276&pid=151539)

ただ水素は天然ガスや石油と違い、世界中で生産と供給が可能になり、エネルギー安全保障にも寄与するものだと考えられています(資源を争って戦争の原因になったり、輸送ルートの確保が軍事的な目的になったりしなくて済む)。資源国オーストラリアからの水素輸入は、果たしてそういった役割を果たしてくれるのか、それともまずは流通量の拡大を狙った戦略なのか、今後に注視したいトピックです。